「いつかは自分の船で大海原へ…」
そんな夢を抱いている方も多いのではないでしょうか。釣りやクルージングなど、海のレジャーを存分に楽しむために必須となるのが船舶免許です。
今回は、数ある船舶免許の中でも「海の普通免許」と呼ばれ、最もポピュラーな「2級小型船舶免許」の取得体験談をお届けします。
全くの初心者だった私が、免許を取得するまでの道のりを、かかった費用や試験のリアルな内容、勉強のコツまで詳しくご紹介。これから免許取得を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
なぜ2級船舶免許を取ろうと思ったのか?
私が船舶免許を取得しようと思った一番の理由は、趣味である釣りの幅を広げたかったからです。
これまでは陸っぱりからの釣りがメインでしたが、船があれば沖に出て大物を狙ったり、陸からは行けないような穴場スポットを開拓したりと、楽しみ方が無限に広がります。
また、クルージングを楽しんだり、海上から美しい景色を眺めたりと、マリンライフへの憧れも大きな動機でした。
そもそも「2級船舶免許」ってどんな免許?
2級小型船舶操縦士免許は、総トン数20トン未満のプレジャーボート(24m未満)を、海岸から5海里(約9.3km)以内の水域で操縦できる免許です。
「海の普通免許」とも呼ばれており、フィッシングやクルージングなど、一般的なマリンレジャーを楽しむには十分な内容です。
💡 ポイント
- 1級免許との大きな違いは航行区域。1級は無制限ですが、2級は沿岸から5海里以内です。
- ちなみに「1海里」は、地球の緯度1分に相当する距離で、1.852kmです。
- 16歳から取得可能ですが、18歳になるまでは5トン限定という制限がつきます。
免許取得までの全記録:教習所選びから合格まで
教習所選びとコース決定のリアルな葛藤
船舶免許の取得方法は、大きく分けて「教習所に通う」か「独学で国家試験を受ける」かの2つ。私はまず、どの免許をどうやって取るかで悩みました。
当時の心の声
🤔「1級にするか2級にするか…」
沿岸の釣りなら2級で十分だし、学習量が増えて不合格になったら嫌だな…。それに、後から1級にステップアップする方が安上がりらしい。よし、2級にしよう!
🤔「独学か、教習所か…」
独学は実技試験が難しそう。でも学科は自分のペースでやりたいな…。
この希望を元に探した結果、ヤマハボート免許教室の「2級スマ免コース」(学科をインターネットで学習するコース)に決定しました!
かかった費用と日数
私が選んだ「2級スマ免コース」でかかった、リアルな費用と日数は以下の通りです。
- 費用: およそ10万円
- 日数:
- 学科講習(自宅など): 自分のペースでOK(私はのんびりダラダラ1ヶ月)
- 実技講習(現地): 1日
- 国家試験(現地): 合計1日(午前:学科、午後:実技)
学科学習
教材は実技テキストやロープなどが送られてきますが、学科はオンライン学習のため、分厚いテキストはありません。
学習内容は「操縦者の心得」「交通の方法」「運航」の3科目。海上での交通ルールなど、今まで全く知らなかった世界を知ることができ、新鮮な驚きと知る喜びがありました。
オンライン学習教材の問題を5周ぐらいやりましたが、正直そんなにやる必要はなかったかもしれません(笑)。
実技講習
いよいよ船に乗る実技講習。ロープワークは事前にYouTubeを見て練習してから行きました。これは大正解でした!
▼参考にした動画
YouTube:【1・2級小型船舶実技教習】
教室でのロープワーク講習後、ついに乗船!最初は緊張しましたが、教官が隣で丁寧に指導してくれるので安心です。
主な講習内容
- ロープワーク: もやい結びなど、船を係留するために必須の技術です。
- 小型船舶の取り扱い: エンジンや備品のチェックなど、安全確認の基本を学びます。
- 基本操縦: 直進、後進、旋回など、基本的な操船技術を練習します。
- 応用操縦: 人命救助や蛇行運転、着岸・離岸など、より実践的な操船を学びます。
講習中、とにかく「周囲の確認と声出し(前後左右よし!後方よし!等)」をするように再三言われました。
船の操縦は初めてでしたが、車の運転より楽しかったです!
緊張の国家試験当日
実技講習の1週間後、ついに国家試験です。
午前の部:学科試験
マークシート50問中、33問以上の正解で合格。試験時間は70分あり、かなり余裕がありました。試験後、外に解答が貼り出されるので自己採点したところ…全問正解でした!(嬉しい!)
午後の部:実技試験
講習とは違う独特の緊張感…。自分は2人1組で試験に臨みました。(通常は3人1組のようです。)
リアルな失敗談…
- 蛇行:目標物を設定するのを忘れ、終了地点がズレてしまいました…。「だいぶズレてるねぇ」と試験官に指摘され、少し動揺。
- 人命救助:1回目、シフトが完全に中立になっておらず失敗。「シフトが後進になってるよ」と指摘が…。2回目でなんとか成功。
- 着岸:1回で成功!でもクリート結びが甘かったようで、試験官が「う〜ん?」と首を捻っていたので修正しました。
(ちなみに、もう一人の方は着岸で桟橋に衝突しそうになり、試験官が慌ててハンドル操作をしていました。)
そして、運命の合格発表!
土曜に受験し、発表は翌週木曜の午前10時(意外と早い!)。Webサイトで自分の受験番号を見つけた時は、思わずガッツポーズ!無事に2級船舶免許を取得できました。
(ちなみに、着岸で桟橋に衝突しそうになっていた方も合格していました。)
まとめ:合格のコツとこれから
試験の勉強法と合格のコツ
- 学科試験:オンライン教材の過去問題を繰り返し解けば、傾向が掴めます。新しい知識が増える喜びを感じながら勉強するのがおすすめです。
- 実技試験:とにかく「安全確認」が最重要です。目で見て、声に出す習慣を。そして、一度失敗しても、動揺せずに早く落ち着きを取り戻すことが大切だと感じました。
独学での一発試験は可能か?
個人的な見解ですが…
- 学科試験:独学で十分合格可能だと思います。
- 実技試験:身近に船舶免許を持っている人がいて、操船等を教えてもらえる環境なら可能かもしれません。私にはその環境がなかったので、教習所を選んで正解でした。
2級船舶免許を取得して良かったこと
免許取得後、まだ一度も操船していませんが、そのうちボートをレンタルして釣りに行くのが今の夢です。これからどんなマリンライフが待っているのか、ワクワクが止まりません。
2級船舶免許は、決して取得が難しい資格ではありません。しっかりと準備をすれば、短期間で合格することも十分可能です。費用は決して安くありませんが、それ以上の価値ある体験と、新しい世界への扉が開かれます。
この記事が、あなたの「船長になる」という夢への第一歩を後押しできれば幸いです。さあ、あなたも大海原へ漕ぎ出してみませんか?
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